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「ワンピース歌舞伎」尾上右近が抜擢された理由。キャスト一丸となって支えた「主役の休演」。

   

10月6日に初日の幕をあけた「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」が約2ヵ月の公演を終えました。
 公演がスタートして4日目の9日、昼の部、主役の市川猿之助がカーテンコールで奈落に降りる際、衣装が昇降機に巻き込まれて、そのまま腕を骨折という事故がおきました。

しかし、公演は1日も休むことなく翌日からも行われ、連日大盛況のうちに千秋楽を迎えました。
どうしてそんなことが可能だったのか。
出演者を含めた関係者に動揺や不安はなかったのか。

そして「事故による主役の休演、代役での2か月公演」という、演劇史上でもほとんど例のない事態を乗り切っただけでなく、連日客席はほぼ満員状態を続けて、無事に千秋楽を迎えた「ワンピース歌舞伎」とはどんな舞台なのか。

客席総立ちで盛りあがる歌舞伎って何なの?
そのような疑問に答えるレポートです。

 

 

通常公演とは別の主役を立てた「特別マチネ」があった!

これは市川猿之助の提案で決まったことのようですが、2ヶ月にわたる公演のなかに、
3日に1回、主役を猿之助以外の俳優が担当して、それに伴って主要キャストも若干入れ替えた
特別マチネ」が組み込まれていました。

「麦わらの挑戦」というその公演は、チケット料金も通常公演に比べて多少お安くしてあり、主役に抜擢された尾上右近のファンには大歓迎の企画でしょうし、若手育成に対する市川猿之助の思いも生かされるという、イイトコだらけの「若手中心公演」であったわけですが、

このマチネがあったおかげで「主役の休演」という緊急事態にも、急ごしらえの代役を立てて、2日程度、舞台を休演にして不安いっぱいのまま公演を再開する、というようなことにならなくてすんだのではないかと思います。

つまり主役のセリフが完全に入っている別の役者がいた、ということが今回の不測の事態の不幸中の幸いというか、重大な危機と言ってもおかしくない状況の、その重大さを大幅に下げる役割を果たしたということではないでしょうか。

尾上右近が「特別マチネ」の主役に抜擢された理由

この若手抜擢の姿勢ひとつとってみても、猿之助は若い世代の育成に熱心だとみられているわけですが、
猿之助自身が月刊誌「演劇界」11月号でインタビューに答えて、
特別マチネの主役に尾上右近を選んだ理由について、こんなことを言っています。

 

今回のルフィは右近くんですが、巳之助くんだって隼人くんだって充分にやれるはずです。
ではなぜ、彼らでないのかというと、ふたりの役を演じる人がいなかったから。
この作品において、それだけ役を自分のものにしてしまったということです。

だから、君たちには代わりがいないということを伝えました。
そしてぼくがいなくなった分だけ厳しくなるよ、と。
つまり、こんどは彼らが主役である右近くんをカバーしなくてはならない。

だから役は同じであっても、これは彼らにとっても挑戦になるはずです。

これを読むと消去法で右近になったのか、とも取れますが、
別のところで、右近自身がインタビューに答えて、自分が選ばれたのは、立ち役(男役)と女方の両方をやってきた経験があるからではないか、と言っていますが、たしかに、主役はルフィという少年と、ハンコックという女性の二役を演じなければならないのですから、右近はそういう点では優位にたったかもしれません。

それにしても、
ぼくがいなくなった分だけ厳しくなるよ」という言葉が、まさか今回のような事態を
予感していたわけでもないことは言うまでもありませんが、
そのまさかが現実になって、出演者たちの戸惑いはどれだけのものだったか。

 

なかでも「もうひとりの主役」尾上右近の戸惑いは、他人には想像のつかないものではなかったでしょうか。
彼のブログは、初日に

本日初日!!

宜しくお願い致します。

翌7日に、特別マチネでマルコを演じる中村隼人とのツーショットの写真とともに
(通常公演ではマルコは右近が演じている)

マルコ指導。笑

事故前日の8日、特別マチネの「初日」には、

無事に、、、

出航しました!!!!!

本当に、、、
全てに感謝です!!!!!!

短い言葉の中に安堵と高揚感がうかがえます。
ひとりの若手俳優が芝居をする喜びを率直に表現しているといった感じです。

そして事故の起きた9日からは、更新のない日が続き、10月19日。

長らく更新が滞り
申し訳ございません。

ブログ書きました!!

宜しければ、お読みください!

という、アメブロのリンクが貼られたツイートが、11日ぶりに発信されました。

降ってわいた猿之助のケガという事態に右近は

ブログには猿之助のけが、一日も早い復帰を祈ること、全身全霊で舞台を勤めることが、
今の自分にできることのすべてだ、というようなことが書かれていて、
最後を、このように締めています。

共演者の方々、スタッフの方々、そして観客の皆様で手に手をとって
乗り越えていきたいと思っております!

どうか猿之助のお兄さんが戻って来られるまで、そしてそれ以降も、熱い熱い
ご声援を劇場にておかけ下さい!

ここからまたしばらく更新がない日が続き、30日に「本日、10月公演の千穐楽!」というツイートがされています。
とてもツイッターどころの話ではなかったでしょう。

11月に入るとやっと少し余裕が出てきたのか、共演者と一緒の写真を見せたり、
このようなメイク中の姿も公開するようになっています。

 

「特別マチネ」の初めての主役、だけでもプレッシャーがかかるところ、降ってわいた「猿之助の代役」。

まさに「麦わらの挑戦」という公演名そのものの大役を乗り切った
尾上右近については、近日中に、彼に焦点をあてた別の記事を投稿する予定です。
 少しだけお待ちください。

ゆずのコンサートから思いついた「スーパータンバリン」

さて、2ヶ月間ほぼ満席状態だったというこの「スーパー歌舞伎Ⅱ」。
「Ⅱ」はセカンドと読みます。
「スーパー歌舞伎」とは、今さら説明の必要もありませんが、いまの猿之助の伯父にあたる、先代の市川猿之助が作りあげた、従来の歌舞伎とは異なる演目、演出で行われる新型歌舞伎のことですが、猿之助の名跡を当時の市川亀治郎が継ぐことで、スーパー歌舞伎の継承者としての立場にも立ったということになります。

そのころから彼の中で、いずれは「スーパー歌舞伎」の新型を作ってみようという気持ちがあったのではないかそしてそれはそれまでの「スーパー歌舞伎」と区別する意味も込めて「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」と名付けたのではないだろうか、今回の「ワンピース」を見てそんなことを考えました。

では、その「ワンピース」はどんな舞台なのでしょうか。
ひとことで言えば、「ビックリ!の連発」です。

まず、宙乗りが小ぶりのサーフボードに乘った格好で行われ音楽はゆずの北川悠仁が作曲した主題歌が流れ、
観客は事前に売店で購入した特製タンバリンをたたきながら立ち上がってリズムをとる
客席通路にはたくさんの出演者が出ていて、客とハイタッチ!

母が観に行って、子どもたちにお土産を買ってきてくれた。 #ワンピース歌舞伎

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これは猿之助がゆずのコンサートを見て、歌舞伎でもこんなふうにしてみたいと思ったことが始まりだった
ということですが、まさにコンサート会場のノリ、
こんな歌舞伎、初めてです。

そして、本物の水、それも幅11メートル、高さ6メートルという、舞台いっぱいに組まれた黒っぽい大きな岩をイメージしているのか、
そこからザーザーと流れ落ちてくる水、まあ、滝と言えばいいのでしょうか

本物の水が大量に流れ落ちる舞台で立ち回り

その量たるや半端ではないから、当然、客席の前方数列の観客にはビニールが配られていて、
本番中はそれをかぶっての「観戦」、というのは水のなかでは大立ち回りが繰り広げられているからです。
そのバックに流れる音楽がまた、会場を盛り上げる。(音楽 藤原道山)

 

宙乗り、本水、つづいては「早替わり」。
主役の尾上右近は、ルフィとハンコックのふたりの人物を演じていますが、ほんの短い時間でルフィがハンコックになり、またルフィになる、というワザを見せる早替わり。
「ワンピース歌舞伎」では、主要キャストがふたつ、みっつの役を演じていて、これも観客にはうれしいことだと思いますが、そのなかにも早替わりが隠れています。

たとえば、ルフィの兄、エースとシャンクスの二役の平岳大。
終幕近く、エースがルフィに感謝しながら息を引き取り、舞台から消えます。
間を置かず回転する盆に乘って登場するシャンクス。客席からどよめきがおきましたが、
これも早替わりのうちに入るのではないかと思います。

「宙乗り」「本水」「早替わり」これらはすべて従来の歌舞伎で”ケレン”と呼ばれて、観客を喜ばせる演出として、たびたび使われてきました
それを「宙乗り」では音楽で、「本水」では「量」でパワーアップさせて、いままでの歌舞伎ファンをもアッと言わせたといえるでしょう。

豪勢に流れる滝のような本水を見ているうちに、よくこの演出の芝居をしていた、亡くなった中村勘三郎さんが見たら、
「おれもやりたーい!」と叫ぶのではないだろうかなどと思ったりしました。

 

中村隼人のアクションのキレの素晴らしさ

この、水をかぶりながらの大立ち回り。中村隼人が光っていました。
マルコ役での宙乗りでの宙返り、いとも簡単に(見えるように)やってのけたり、
いわゆるイケメン俳優として多くのファンがいる彼のイメージからは意外な、と言っていいと思いますが、
アクションもおまかせ的な一面を見た気がします。
舞台からワイヤーで宙に舞って上がってゆくというのがこれまでの方法ですが、三階席から宙乗りで登場するというのは今回、初めて見ました。
カッコよかったです。

そして坂東巳之助。 
名優、坂東三津五郎を父に持ち、その長男として生まれた巳之助は、1995年11月、6才で初舞台を踏むものの、
10代のころに歌舞伎の道へ進むことに思い悩み、おそらく父親との間もうまくいかない時期があったと思いますが、あるときから腹をくくりました。
そのときのことについて、2011年3月、歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人(かぶきびと)」のインタビューで、「いつごろ覚悟を決めたのかと」いう質問に答えています。

17~18歳のころです。自分でも不思議なんですが、銀座あたりを歩いていて、ふと気持ちが固まったんです、本当に。
「そうだ!」という感じで。そのころは、父に許しをもらって歌舞伎の舞台に全然立っていなくて、
バイトをしたりバンドをやったりしてたんですけど、それで気持ちがリセットできたことも大きいのかなぁと。
それからは、まったく気持ちがぶれなくなりましたね。

とはいうものの、花形役者が勢ぞろいする歌舞伎界で、巳之助の立つ位置は、ファンも満足できるものではなかったのではないでしょうか。
2015年2月に父、三津五郎が59才という若さで亡くなったことも影響しているのかもしれません。
28才の今、20代の巳之助の代表作は?と問われて、すぐ浮かぶものはありません。

坂東巳之助が見せた役者魂! これぞ「ブレイク」だ!

いや、「ありませんでした」と過去形にしなくてはなりません
「ワンピース」の坂東巳之助は、尾上右近よりも、中村隼人よりも、平岳大よりも、すべての出演者のなかで
いちばん光っていました。
こんな巳之助、見たことがない!

 

あふれる本水の大立ち回りが終わったあと、花道にひとり立つ巳之助、ボン・クレー。
水しぶきの余韻が残る中で、静かに口を開く。

地獄にも咲く一輪の友の花
寄せては返す波あとに
忘れ形見の花びら残し
いつかふたたび
咲かせてみしょう おかま紅(べに)

 

こう吟じて、こんどは一転、飛び六方の変わり六方で引っ込んでゆく坂東巳之助に大きな拍手が送られました。
今までのうっぷんを一気に吐き出すかのような熱意が伝わってきました。
お父上も間違いなく喜んでいるでしょう。

 

公演中に2018年8月の新橋演舞場、新作歌舞伎「NARUTO ナルト」の公演が発表されました。
主演は、坂東巳之助と中村隼人。「ワンピース」と同じく、人気漫画が原作です。

「ワンピース」で明らかに何かをつかんだ巳之助が、どんな「NARUTO」を見せてくれるか、こちらも楽しみです。

 

ベテランが古来の歌舞伎の衣裳で、スーパー歌舞伎を締めた

そして最後になりましたが、この人の存在を忘れるわけにはいきません。
市川右團次。まだ、市川右近という名前のほうがなじみがあるという人も多いのではと思いますが、2017年1月に80年ぶりに市川右團次の名跡を復活させ、三代目市川右團次を襲名しました。

 

先代の猿之助の「スーパー歌舞伎」から出演している右團次は、若手がメインキャストをしめる「ワンピース」のなかで、ベテランの風格を漂わせながらも、伸び盛りの俳優に対する優しい眼差しが感じられ、今回の想定外の事態にあっても、尾上右近への無言の精神的バックアップ、出演者全員の兄貴的存在として、大きな役割を果たしたのではないかと勝手に想像しますが、それほど的外れな見方ではないと思うのです。

市川右團次という名前は、今、放送中のテレビドラマ「陸王」をご覧になっている方なら、シューフィッターの役でおなじみだと思います。

そのほか、坂東新悟、浅野和之、市川笑三郎、市川笑也など若手からベテランまで、
さらに多くの出演者、スタッフが一丸となって築いた「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」。 

もうひとつ加えると、今回、キャストの変更などがあったので、その確認をするために新橋演舞場に電話したのですが、それに答えていただいた劇場の女性スタッフの方、忙しい中で、ていねいに対応してくれましたが「ワンピース」はこういうスタッフの仕事も含めて、ひとつの舞台になっているのだと思いました。

 

伝統と現代のテクノロジーのコラボを目指して

伝統を活かしながら、プロジェクションマッピングなど新しい技術を積極的に入れてゆく手法。

第二幕でタンバリンの手拍子つき宙乗り、大水の立ち回りとド派手な舞台を見せたあと(ほんとにこれで終わりでもいいのではないかと思いました)
第三幕では一転、父と子、兄弟、友情などの芝居をじっくり見せる構成の妙。(脚本横内謙介)

1986年に「ヤマトタケル」から始まった「スーパー歌舞伎」は、30年の時間を経て、
ついにエポックメイキングと言える舞台を生み出したのかもしれません。
見たことがないという方、東京公演は終わりましたが、2018年4月大阪松竹座、5月名古屋御園座での公演があります。
見るというより「体感する」と言ったほうがあっているかもしれない「ワンピース歌舞伎
スーパーな体験、いかがですか?

 

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